アクイレイア再訪〜2018その6〜Grado


アクイレイア からグラードへ向かう(入る)国道SR352 Grado,Italia

アクイレイア を訪れたら、古代都市、グラード(Grado)も合わせて観たい。5−6世紀の教会堂が残る。

Basilica di S.Eufemia(奥)と、S.Maria delle Grazie(手前), Grado
Basilica di S.Eufemia(奥)と、S.Maria delle Grazie(手前), Grado

アクイレイア ・ノーウァ(新アクイレイア )と呼ばれたグラードは現在、夏のリゾート地として賑わいをみせる。街並みは手入れが行き渡り、通りには、色とりどりのレストランがせせり出し、観光客を引きつける。5月末の時期には、オーストリア観光客が海を求めて、週末の時間を過ごしていた。

司教座教会サンテウフェミア(Basilica di S.Eufemia)と、洗礼堂をはさんで並ぶ、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会(S.Maria delle Grazie)。

サンテウフェミア教会 グラード
サンテウフェミア教会 グラード

いずれの教会にも、床には5−6世紀のモザイクが残るが、サンテウフェミア教会は、現在も教会として機能しているため、モザイクの鑑賞は良好とは言えない。また、保存のためだろうが、多くは絨毯で覆われている。この日は、ミュージック・セラピーの演奏会だった。
モザイクは、期待したほど楽しめなかったが、教会に鳴り響く透明な音楽の音色に、旅の疲れを癒さ、生きた教会の息吹を感じることができた。教会とは元来そうした「場」なのである。生きた聖なる空間に、モザイクは佇む。人は、その上を往来し、聖なる魂に寄り添うのだろうか。

 

サンテウフェミア教会 グラード

サンテウフェミア協会のモザイク装飾は、円や、四角い枠を繰り返した組紐文様で、銘文が刻まれている。

サンテウフェミア教会 グラード
サンテウフェミア教会 グラード

床モザイクの大部分は、修復だろう。オリジナルは、縄紐文様の中に、文字が刻まれている。教会内では、古いモザイクの部分は、汚れ、後世作り直された部分は、新しい。

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サンテウファミア教会の洗礼堂と、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にも床モザイクが認められるが、苔むしていたり、床位置が低く、素人撮影には向いていないので割愛する。むしろ、前述した、グラードの街並みスナップを少し紹介しよう。

Il Battistero, Grado,Italy

サンテウフェミア教会に隣接する洗礼堂

S.Maria delle Grazie, Grado, Italy

サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の床モザイク(5世紀)

グラードの街並み

 

グラードの街並み
グラードの街並み
グラードの街並み

広場にも、路地にも所狭しとはり出したテーブル。レストランのメニューは、イタリア語、英語、ドイツ語で環境客を引き寄せる。

グラードの街並み

20年前、ラヴェンナ留学中、アクイレイア 訪問の目的で滞在した季節外れのグラードは、留学1年を終えたとは言え、まだおぼつかないイタリア語のひとり旅では、心寂しい印象が刻まれている。ひるがえって、今回、目の前に開かれたグラードの路地は、どの家も細やかに手入れされ、イタリア特有の緑の窓枠にレンガの壁、石、そして植物使いが際立って美しかった。街から観光補助金が出されたのだろうかと想像してしまう。シーズンを迎えた豊かな夏模様は、グラードの印象を塗り替えた。

参照:「地中海都市気候・古代キリスト教美術を尋ねて」名取四郎 岩波新書

「キリスト教美術の源流を訪ねて1 イタリア編」名取四郎 教文館