DIC川村記念美術館記その2〜ライリー展ゆらぎ〜

DIC川村記念美術館庭園の白鳥

Bridget Riley : Paintings from the 1960s to the Present

Kawamura Memorial DIC Museum of Art
April 14 – August 26, 2018   

ロスコ・ルーム(シーグラム壁画)、サイ・トゥオンブリー展示間の移動は、ゾクゾクします。美術作品の存在感と、作品の持つ力を、空間が主張せずに包み込んでいる。”美術の洗礼”にすっかり浸りました。。

「アメリカ抽象絵画の展示とフランク・ステラ」、この部屋では、この時代の抽象作品群に大きく揺さぶれれた大学〜留学時代とリンクして、私のアート琴線は強く揺さぶられました。

お目当てのライリー展示へ向かおうとする時、イタリア臭い匂いで思わず振り返ってしまった通路には1点、樹脂で画面下部を覆われた横長の作品が目に留まりました。エンツォ・クッキ(ENZO CUCCHI)。

目的の”ブリジット・ライリーの絵画”にたどり着く。幾何学パターンによって画面に動きをもたらす抽象絵画、オプ・アートの旗手白黒作品の画面はゆれうごく。ストライプ・パターンの大画面にもたらされた揺らぎ

初期の白黒のオプ・アートは平面構成の白と黒に塗り分けられただけのキャンバスのはずなのに、ぐらんぐらんとゆれる。白黒コントラストの強い色彩がもたらす衝撃は、次にパステル調の波のようなはかない光へと変調して行きます。

大画面の前では、絵画をみようとする眼差しの焦点がはぐらかされ、次第に、色彩は、新たな世界を目の中、あるいは、脳の中へ映しだし、作用するのでした。

絵画的な迫力は、目の当たりにしてしまった、ステラの力とは異なるものであると感じました。それは、男性性と、女性性の違いにも通じる抽象絵画的世界観かもしれません。明確に主張するステラの作品エネルギーと対照的に、ライリーの作品からは、優しき気持ちが届けられるようでした。

ライリー作品を前に、アートの原点に引き戻される刺激を受けました。美術的な強さが心地よい。

 

川村記念美術館の近くには、国立民族博物館もありました。こちらも足を伸ばしたいものでしたが、川村記念美術館の展示にすっかり魅了されたので、次回にします。

美術鑑賞を終え、帰りの駅までの無料送迎バスまでの時間を、炎天下、庭園散策してみました。

 池の木陰に優雅に佇む白鳥を見ていると、エデンの園と称えられるポルトガル・シントラの夏の離宮を思い出しました。

 

DIC川村記念美術館記その1〜美の洗礼〜