棟方志功展 府中市美術館へ


Munakata Shiko woodcut prints
Fuchu Art Museum

府中市制施行65周年記念
棟方志功展 連作と大作で迫る板画の真髄

府中市美術館 2019/5/25 ~ 7/7

開催中の、棟方志功展に行きました。

”棟方志功は自らの木版画を「板画」、すなわち板の中から生まれた絵画とと称しました。”

棟方志功展 府中市美術館

棟方の独自画風はあまりに有名で、記憶に刻まれているものですが、展示に足を運び、オリジナルの板画に触れる機会は、これが初めてのような気がします。

展示では、初期の小作品から、世界の棟方へ不動の地位を得る経由、棟方板画の全貌と真髄 に向き合うことができます。

代表作「二菩薩釈迦十大弟子」1939年制作は、数年前、中野区で展示があったのですが、残念ながら足を運ぶ時間が取れませんでした。その時の無念もあって、今回は、是非とも足を運んだのでした。ちょうど今、モザイク修復の仕事で、府中のアトリエへ通っている都合もあり、府中へのフットワークが軽い時期でもありました。

 

木版画表現は、版木の大きさに制限される絵画表現であると頭ではわかっているつもり。
実際の作品を前にすると、本の挿絵などの小作品から、連続した巻物版画。やがて、版木を何枚も何枚も分割して画面を生み出す、工夫や息吹が感じ取れルものでした。

棟方の力は、版木を彫り込むエネルギーだと、勝手に想像していました。「画」を産み出そう、新しい表現を試みよう。仏教に傾倒し、表現を自らのものへと苦悩格闘する様子が「画」の中から伝わってきました。

黒と白の扱いが、反転しネガポジのように黒い画面に白い線を浮き出そうとする技法では、ギリシャの壺絵を連想しました。

 

展示スペースのたっぷりとした府中市美術館では、後年の大画面作品も充分に味合うことができるものでした。

紙の裏側から彩色を施された作品も何点かありましたが、棟方版画のエネルギー、やはり、白黒の作品に力強く発揮するものだと思います。文字を彫り込んだ作品が多くあったのも、印象的でした。

常設展示の、「府中・多摩の美術」も見応えありました。