”おもちゃ美術館
は、2008年4月、廃校となった新宿区四谷第四小学校の旧校舎で産声を上げた。”
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JR中野駅から哲学堂方向へ、中野通り沿いに歩くとまもなく。左手に、芸術教育研究所がありました。
所長の多田千尋氏(日本グット・トイ委員会理事長)のお父様、美術教育研究者多田信作氏が、1957年に、芸術教育研究所を設立。
「おもちゃは子どもが触れる最初の芸術」という思想の元に、知育玩具の展示や、幼稚教育に力を入れている活動拠点です。
私は、近所でありながら中に入ったことはありませんでしたが、以前、どこかのご縁で、多田氏にお目にかかったことがありました。
先日、東京おもちゃ美術館の挑戦 認定NPO法人芸術と遊び創造協会 を読み、興味が広まったので、紹介します。
本稿は、ほぼ、上にあげた本からの抜粋編集です。(”引用”)
子どもの生活圏における3つの「間」に喪失
”人間が、遊び、コミュニケーションをする上で、
「時間」「空間」「仲間」の3つ「間」が大切な指標になる。
これは子どもが豊かに遊び、人間関係を形成するための条件となるが、高度経済成長とともに崩れてしまった。
(1970年代社会福祉学 一番ケ瀬康子さん・住居学 小川信子さんらの指摘)
そして、3つの「間」が豊かになると、「世間」という4つ目の「間」が、地域にご褒美としてついてくるという。
4つの間の構築こそが、多世代社会におけるコミュニケーション豊かな地域コミュニティの形成につながると確信している。”
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4つの「間」が喪失した社会の再生のために、「おもちゃ」に注目してきたのが日本グット・トイ委員会であり、
美術館とともにおもちゃ文化の継承と発展を目指して活動する認定NPO法人です。
おもちゃは、子どもが初めて出会うアート
私はしかし、理念であるこの言葉に最初であった時は、正直なところ、違和感を覚ました。
しかし、
本書を通した見解と、
多田信作氏のおもちゃ工作全書―なつかしいおもちゃ、たのしいおもちゃがいっぱい を図書館で借りて開くと、
違和感を覚えた思いも、和らぎました。
そこには、昭和の手作りおもちゃ、遊びが沢山紹介されていた。
私も、子ども時代、工作遊びが大好きでした。
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しかし、時代は、バブルを通り越え、
おもちゃの多くは、教育の手段や、バーチャルの世界へ移行し、おもちゃは、経済に飲み込まれて、
子どもの創造力は、「モノ」と結びついてしまったんではないか。
まとめ
著書を通した「間」の重要性について、
私自身は、モザイクの「間」を大切に扱っているので、ご紹介致しました。